27歳 女 後悔しないための介護

私は特別養護老人ホームで働く介護士です。
これは私がまだ新米介護士だったころの話しです。
私が働く老人ホームにはAさん(90歳過ぎ・女性)という、とても可愛らしいおばあちゃんがいました。
Aさんは笑顔が素敵で、いつもニコニコと笑っていて介護職員の人気者でした。
けれど、ある日の朝Aさんは亡くなりました。
朝ごはんを少し食べて、そして静かに眠るように亡くなりました。
その時、早番としていたのが私でした。
私は茫然としました。
私は、人はいつか必ず亡くなるというのは知っていました。
けれど、私は心のどこかで「人は病気にならないかぎりずっと元気で、突然亡くなることはない」と思っていたところがありました。
だから、Aさんの突然の死は私にとって衝撃でした。
人は絶対に亡くなるというのは実感させられたからです。
同時に後悔が私に押し寄せました。
もっとAさんに声をかければよかった。
もっと良い介護ができたのではないのか?私はAさんにとってよい介護士だったのだろうか?とたくさん後悔しました。
 そして、私は「もう後悔したくない」と思いました。
私は、その日その時、最善の介護をしようと心に誓いました。
特別養護老人ホームは基本的には健康ではない人が利用するため、今元気でも明日も元気かどうか分からない。
もしかしたら、明日亡くなってしまう可能性もあるかもしれない。
だからこそ、利用者のおじいちゃん・おばあちゃんのためにも、自分自身が後悔しないためにも、常に最善の介護をしようと思いました。
 私にとっての介護の仕事のやりがいは、利用者のおじいちゃん・おばあちゃんの笑顔やありがとうと言ってもらえるところにあります。
同時に、利用者の死と向き合わなければなりません。
もし、介護職に興味がある・もしくはこれから介護職に就く人にアドバイスをするのならば、利用者の一日一日を大切にしてほしいです。
それが結果的に、利用者のためでもあり、自分自身のためにもなります。

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