福祉系の大学を卒業して、特養に就職が決まり同時に一人暮らしも始めました。
その特養はまだ新しく、手探りで方針を決めていったのですが、介護経験者は自分の経験則を主張し、新人は新しい方向を希望していたので、どこかちぐはぐな施設運営でした。
そんななかで新社会人としての生活がスタート。
はじめは経験者はじめ十分な人員がそろっており、不慣れながらも利用者さんとコミュニケーションをとったり、外出計画を立てたりと積極的に仕事に取り組んでいました。
しかし施設運営のちぐはぐさの影響か、施設長が変わり、ケアマネージャーさんが変わり、職員も徐々に減っていった辺りから個々人の負担が増えてゆきました。
人手がないためにろくにシフトも組めず、夜勤をこなした人が次の日の午後まで継続勤務し、次の夜勤者は夕方前から出勤し引き継ぐといった勤務形態で働くこともしばしばありました。
そのような状態で利用者さんと満足なコミュニケーションをとる時間もなく、食事介助と排泄介助をただこなす日々が続き、家に帰って寝ているときも呼び出しコールの幻聴で飛び起きる、という日もありました。
それでもなんとかやっていけたのは、苦楽を共にする仲間と、利用者さんの献身のおかげだと思います。
忙しさに追われ余裕がない職員の手伝いをしてくださった利用者さんのやさしさや、思いやりの心にどれだけ助けられたかわかりません。
そのおかげで仕事を回せていました。
しかし施設の形が徐々に出来上がってきたころ、職員の派閥が生まれてきました。
あちらの階はこちらより楽だ、あちらの階のやり方はこちらより劣っているといったしょうもないいさかいが、リーダー会議でそれぞれ主張を始め、それに嫌気がさしたリーダーが辞めてゆき、ただでさえ少ない人員がさらに減ることとなり、新リーダーをたててもあまりの激務に辞めていくといったスパイラルが起きてしまい、利用者さんにかけられる時間が減るという、なんともお粗末な理由で自ら首を絞めてゆきました。
結局自分も腰を痛め、長期休養後逃げるように辞めてしまいました。
そんな自分が言っても何の説得力もないのですが、今後介護を目指す方は相当な覚悟を決めてその道に進む必要があると思います。
そして一つの施設にこだわらず、複数施設を転々とするのも介護職はありかもせれません。
どこの介護施設も即戦力を欲しがっていますので、介護の仕事に就けないことは今後しばらくないと思います。
願わくば介護職を辞める人が少なくなるような、高給、好待遇の時代が来てほしいものです。
36歳 男 介護職の心構え

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